生産について、どこから書いたものかと悩みますが、まずは概要からお話していきたいと思います。
製造業という表現はあっても、生産業というコトバはあまり聞きません。
生産部門と製造部門は、どちらも使います。
製造は個々の製品を作っていくことをイメージするのに対して、生産は製造を包含した、もっと大きな活動のことをイメージします。
この2つの用語は、適宜使い分けていくことになります。(記事の中で私の間違いにお気づきの方は、ご指摘頂けると幸いです)
予め一定の売上が見込めるような製品は、見込み生産を行います。
どこの製造部でも、月間や週間で「生産会議」というものをやっているものです。
どんな事が議題なっているかというと、結局は「いつ」「どこ(製造課・製造設備・製造ライン)で」「何(品番)を」「どれだけ」作る(造る)かを決めます。
ちなみに「生産計画」といったときには、生産会議の結果、直近の計画を指すこと(=製造日程、生産日程)もありますし、もっと大きな年単位の計画を指すこともあります。
生産会議の判断材料としては、例えば下記のような情報を持ち寄ります。
・営業が出してきた需要予測(この営業は真面目に考えている、あそこの営業はいつもいい加減だ、も加味)
・営業が需要予測してくれないので、生産課が考えた出荷予測
・過去の出荷実績
・半製品や中間製品として費消されてしまう量
・過去の実績から定めた、最低在庫(安全在庫)
(この概要記事では、眠くなりそうな用語は省略しています。細部の記事で改めて書きます。例えば、前月末在庫、当月生産実績、当月出荷実績、トレンド、・・。)
その後、各製造課長、または生産計画課などが製造日程に落とし込んでいきます。一種類の日程を作る部署もあれば、大日程、中日程、小日程と作っていく部署もあるでしょう。規模や特性によります。
・製造課
・製造日程No(データのキーとして)
・品番
・製造日、時間
・製造完了日
・荷詰予定日
・充填容器の種類と個数
・製造設備
・ロット数量
・ロット番号
製品(群)ごとに、製造に要する時間(日数)も異なります。
夜中も機械が作り続けているなら、夜勤のシフトもあるでしょう。
必要とする製造設備も異なりますし、準備(事前、事後の清掃など)の内容も異なります。
これらの整合性を加味して、現実的な日程とします。
システムで支援出来そうな場面は、何か感じましたか?
今回の記事では脱線するので詳しく書きませんが、細部の記事では、システム実装の例を書いていきたいと思っています。(勤務先の仕組みは出せないので、作文混じりですが)
製造日程が決まるということは、製造に必要な原材料が分かるということです。
大きな企業であれば、この部分はMRPⅡ(資材所要量計算)と呼ばれるシステム機能を使っていると思います。
用語としてのMRPは、1960年代に編み出されたそうです。メインフレーム(昔の大型コンピュータ)にも早くから実装されていたと思われます。
製造日程で、この製品を1万個る、という情報から、部品を始めとした必要資源を計算し、製造日に間に合うように手配します。
資材が足りなければ、購買システムと連携し、発注データを作成(あるいは、人間が発注書を作成するよう促す)します。
発注データは、作成される度に仕入先へと送られるやり方もあると思います。
あるいは、他の製造課、他の製造日程のMRPⅡ結果をもとに集約し、入荷日ベースで発注するやり方もあると思います。
発注の手段として、電子データの場合も、自動FAXの場合も、手動FAX(を送る為の帳票印刷)の場合もあると思います。
そのようにして、製造日には必要な資材が揃っている、というお膳立てが済んでいます。
長くなってきたので、今日は一旦この辺で。
お読み頂き、ありがとうございます。