モノは流通します。
商流も物流も、いくつもの法人を跨ぎます。
若いころ、ふと考えたことがあります。
間に入る会社が1社でも増えると、消費税分、モノが高くなってしまっているんじゃないかと。
A社 ⇒ 税込108円 ⇒ B社 ⇒ 108+42(B社の付加価値)+12(消費税)=162円 ⇒ C社 ⇒ 162+38(C社の付加価値)+16(消費税)=200円 ⇒ D社 ⇒・・
各社の付加価値は妥当な金額と仮定して、消費税の発生回数が増える度に価格が上がっていくのは勿体ないのではないか。中間会社を1社でも減らした方が良いのではないか、そのように本気で考えていました。
しかし、結論からいうと、全く心配ないことでした。
上記の例では、B社が納める消費税は4円になります。
C社への販売時に預かった消費税12円と、A社に支払った消費税8円の差額を納めればよいと知りました。
A社から購入した時に8円は支払消費税として分けて管理、C社に販売したときに12円を預かり消費税として分けて管理。(国のものを預かっている)
相殺して納税。
つまり、A社もB社もC社も消費税の自己負担なし。
黒字会社であれば。
赤字会社なら、預かる消費税が足りなくなるので、相殺するとマイナス。納税0円。つまり支払消費税の一部は戻ってこず、負担することになります。
(条件が合えば、赤字企業の負担した消費税を、国が還付してくれる制度もあるようです)
そういえば、皆さんの経費精算などでも、課税か非課税かという分類を見たことがあるかと思います。
非課税のモノやサービスの購入時に「消費税を分けておく」処理にするかどうかの違いになります。
資材購入であろうと経費であろうと、払った消費税は支払消費税。特定の取引ごとに計算するのではなく、企業活動全体として、支払消費税も預かり消費税も足し算していきます。
もし、本当は非課税(例:印紙代)なのに課税として処理したら、「税金還付の不正」(脱税よりも重いイメージ)になってしまいます。なのできっと、税務監査のチェック項目になっているでしょう。
逆に課税品を非課税として処理したら、自分の会社が損することになります。
(間違ってたけど少額だし自社の損だからいいか、もダメですけどね。正しい事実の記帳が必須です。)
財務会計や貿易業務を担当すれば当たり前になってきますが、それらを担当していなくても、消費税の感覚は持っていると便利な気がします。
ちなみに消費税、消費税法という分厚い本が公認会計士受験者向けに売られているように、全部を分かろうとするとかなり大変です。