全社システム1 組織図と稟議規程で全社視点を養う

全社システムを検討するにおいて、業務知識が重要ということは繰返し申してきました。
一朝一夕に身に付くものではありません。

身に付ける一助として、タイトルの通り「組織図と稟議規程」があります。

プロジェクト体制図だけでなく、会社の組織図をじっくり見ることが大事です。
稟議規程(別紙、別表扱いされているであろう、詳述されたもの)には、どの役職者がどれだけの決裁権限を持つのかが載っています。

この2つを重ね合わせて見ていくと、会社がどのように機能しているのかが、ぼんやりと見えてきます。

ベンダーの立場であれば、得意先の稟議規程は見せて貰えないと思います。基本的に社外秘でしょうから。
でも大丈夫です。
稟議規程なんて、どこの会社もほぼ同じですから、自社の稟議規程を見るだけでも価値があります。
詳細を丸暗記することが大事なのではなく、何がどの程度重要視されているのか、その傾向を自身に浸透させていくことが大事です。
数字や具体的な資料名も記載されているので、数字の感覚も養えます。

組織図を頭に刷り込むことが出来たら、次は得意先、仕入先の一覧を眺めてみて、業界における位置づけをイメージしていきます。
更に国内シェア、海外シェアを調べていきます。
そうしていくと、大きなサプライチェーンの中での企業の位置づけ、事業の位置づけや強みと弱み、そして今回システムの真の目的が見えてきます。

インターネットは情報過多だと言われますが、社内情報も過多と言えます。
膨大な情報の中から有益なものを見つけ、自分の中に体系立てて取り込んでいく。
そうすれば、「あるべき論」で終わるのではなく、「こうあるべき、具体的には~」と続く発想が育まれていきます。

個々の情報そのものに答えは書いていませんが、判断に資する事実は書いてあるからです。

一朝一夕に理解できるものではないので、時間をかけて、ゆっくりと確実に身に付けていきましょう。


システムエンジニアランキング

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする